二人の戦士、蒼い拳士x紅蓮の将軍に出会うこと


(まったく、何処でボサッと突っ立ってるのやら・・・。)

森へと向かう道中、エルフィーネは思案に暮れていた。
自分と同様、この事態に巻き込まれた知り合い、鬼龍院美咲の行方についてだ。
通常、こういった場合、普段の行動から’アタリ’をつけていく物だろう。
しかし、こと彼女に限っては、それは不可能である。
何故ならば彼女の普段の行動が、’テキトーな所でずっと腕を組んで突っ立っている’だからだ。
この、実に単純明快すぎる行動ゆえに、こういった状況では’アタリ’が付けにくい。

(ホント、世話の焼けるコね・・・。)

エルフィーネは小さく溜め息をつく。
地図はあの蔓どもに襲われる前に、簡単に確認していた。
詳細は不明であるが、どうやら此処は結構な広さがあるようだ。
そんな広い場所で、能動的に行動しようとしない人物を捜す。
その、床に落としたコンタクトレンズを探しているような感覚に、エルフィーネは愕然とする。

「・・・エル? 聞いてる?」
「・・・・・・えっ?」

エルフィーネは見上げるように首を横へ向ける。
そこには赤い髪の女性、アーシャの姿があった。
エルフィーネの反応に、アーシャは彼女が何も聞いていなかったのを悟った。
少しの間をおいて、再びアーシャが口を開く。

「もうじき、私が目覚めた辺りだけど・・・、エルはこれからどうするの?」
「んっとぉ、エルは、えぇっとねぇ・・・。」

美咲を捜しだす。
エルフィーネの心中は、既にそう決まっていた。
非常に面倒で困難な道であるが、エルフィーネにとって彼女はかけがえのない姉貴分であり、妹分である。
しかし、エルフィーネは口にするのを躊躇った。
運良くロザリオが手に入ったとはいえ、連続して戦える時間は限られている。
安定した防衛力として、エルフィーネは彼女に是非とも同道を願いたい。
彼女の今までの言動からして、頼めば確実に受け入れてくれるだろう。

(でも、彼女にも大切な人の一人や二人、居るはずだもの・・・。)

彼女は他ならぬ、命の恩人である。
そして当然、彼女も彼女にとってかけがえのない人物が巻き込まれている可能性がある。
もしそうだったのならば、彼女に同道を願うワケにはいかない。
自分がそうであるように、彼女もその人物を捜したいはずだからだ。
勿論、彼女の捜したい人物を探す道中に美咲と出会える可能性はある。
しかし戦闘力の安定しない自分は、戦闘力の安定している彼女にとっては負担でしかない。
この状況では、自己の負担になるような物は極力排除するのが定石のはずだ。

(恩を仇で返すような真似はしない。それが、私なんかを傍に置いてくれる、五代目に対しての私なりの感謝の表し方・・・。)

エルフィーネは退魔師である。
退魔師はその特異性から、人々から疎まれていた。
エルフィーネもその例に漏れず、ずっと独りぼっちだった。
だからこそ、エルフィーネにとって初めてできた仲間である美咲の存在は大きい。
エルフィーネは、どんな手段を用いてでも彼女を探し出したかった。
しかし美咲は、恩義を重んじる人物だ。
彼女にとって、命の恩人に迷惑をかけることは禁忌と言っても過言ではない。
美咲が是としないことは、できればしたくない。
エルフィーネは彼女と出会ってからいつしか、そう思うようになっていた。
「・・・アーシャお姉ちゃんは、どうするの?」

エルフィーネは質問に質問で返してしまった。
恩義と欲望の狭間で揺れ動いた結果である。
質問を質問で返されることは、気分がいいとはいえない。
彼女もきっと気を悪くしただろう。
そう思ったエルフィーネは、柄にもなくアーシャの顔を見るのが怖くなって俯いてしまった。

「えーっと、・・・実はまだ決めてないんだ。」
「・・・えっ?」

アーシャの回答に、エルフィーネは再び顔を上げて彼女を見る。
彼女はばつの悪そうな笑顔を浮かべて、言葉を続ける。

「荷物の確認も殆どしてないんだよね・・・。だから、エルがこれからどうするか決まってたら、悪いかなって思って・・・」
「じゃっ! じゃあ、今すぐ荷物確認しちゃおうよっ!」
「えっ? でも、エルは・・・」
「あっ! あたしも実はまだ確認してないんだっ! ほらっ! あたしは目覚めてすぐにあの蔓に襲われてたから・・・。兎に角しよっ!」

エルフィーネは嘘をついた。
本当は蔓に襲われるまでに、既に荷物の確認を終えていた。
そして、これからの行動計画を練ろうとした矢先に蔓に襲われたのだ。
しかし、此処は嘘をつき、アーシャに荷物確認を促す。
そうすれば、彼女に同道を願い出ても問題がないかどうかが分かるからだ。
エルフィーネは半ば強引にアーシャの手を引くと、手近な切り株に隣り合わせに座らせる。
そして、態と豪快にデイパックの中身を広げはしゃいで見せた。
アーシャはエルフィーネの行動に呆気に取られていたが、やがて彼女に合わせてデイパックの中身を1つずつ取り出す。

「・・・デッキブラシに、ヨーグルトみたいな匂いのする物の入ったビンが3つかぁ。」
「エルのは、さっきお姉ちゃんにあげた小太刀と、趣味の悪いパンツが2枚だけみたい・・・。」

二人は同時に溜め息をついた。
確かに武器となる物はお互いに1つずつ入っていた。
しかし、それ以外の道具はあまり使い道のなさそうな物ばかりだった。
現実はそう甘くはないとはいえ、この状況に二人はやるせなさを感じずには居られなかった。
二人は気を取り直して、知り合いが居ないか参加者名簿を確認することにした。

「・・・そんなっ! エリーにクリス、ルー君まで!?」
「・・・っ!!」

アーシャの驚愕の声に、エルフィーネは小さく身体を撥ねさせる。
エルフィーネにとって、嬉しくない状況になったことは彼女の反応から明らかだ。

(・・・仕方ないわね。私一人で、探そう。)

こうなってしまった以上、恩人に迷惑をかけるワケにはいかない。
エルフィーネはアーシャと別れる決心をした。

「・・・・・・別れましょうか。」
「えっ!? どうして!?」
「大切な人が、巻き込まれていたのでしょう?」
「えっ、ええ、まぁ・・・。」
「・・・私も、大切な人が巻き込まれているの。」
「それなら、一緒に捜しましょうよ。何も別れなくてもいいじゃないですか。」
「よくないわ。私は貴女と違って戦闘力にムラがあるもの。貴女にとっては、枷にしかならないわ・・・。」
「枷だなんて・・・そんなこと私は気にしてなんか・・・・・・」
「・・・彼女は、命の恩人に迷惑をかけるような人を歓迎しないのよ・・・。」

それっきり、二人は押し黙ってしまった。
二人の間をゆっくりと時が流れる。
少しばかりの時が流れた頃、エルフィーネは大きく深呼吸をする。
そして、切り株から勢いよく立ち上がり、少しだけ前に進み立ち止まった。

「じゃあ、アーシャ。生きていたら何処かで・・・」
「・・・待ってください。エルフィーネさん。」

アーシャは立ち上がり、エルフィーネを呼び止める。
エルフィーネはその場で立ち止まる。

「ついて行きます。」
「・・・何を言ってるの。貴女は、貴女の大切な・・・」
「約束、しましたよね。『貴女を守る』って。」
「えっ?」

エルフィーネはアーシャの言葉に振り返る。
確かにあの時、アーシャに自分を守って欲しいと頼んだ。
しかし、それが今この場に何の関係があるというのだろうか。
エルフィーネにはすぐには理解することができなかった。

「確かに、巻き込まれた私の知り合いは皆、大切な人達です。」
「それなら・・・」
「・・・私の知り合いは、約束を反故にするような人を歓迎しませんよ。」

アーシャはそう言って笑顔を見せた。
その屈託のない笑顔に、エルフィーネは自分の仕出かしたことを悟り思わず背を向ける。

「・・・・・・本当にいいの? 一緒に、来てくれるの?」
「はい、一緒に捜しましょう。エルフィーネさん。」

アーシャはこうして強引に別れようとすれば必ずついてくる。
エルフィーネはそう確信していた。
だからこそ、彼女に迷惑をかけないよう、何とか話し合いで別れようと考えていた。
しかし、気付けば強引に別れようとして、彼女に同道を強いてしまっていた。
エルフィーネは無意識の内に彼女を利用する方法を考え、実行してしまったのである。
このようなことは、美咲と出会うまでは当たり前のように行っていた。
それ故に、エルフィーネの身体には相手を利用する癖が深々と刻まれてしまっている。

「・・・ごめんね。」
(ごめん、五代目。この癖、中々抜けてくれないわ・・・。)
「謝らないでもいいですよ。私が決めたことですし。」

徐に、エルフィーネはアーシャに駆け寄り、そのまま飛びついた。
突然の出来事にアーシャは体勢を崩しそうになるが、踏み止まり彼女を受け止めた。

「わぁ〜い! お姉ちゃん、だ〜いすきっ♪」
「ちょっ、ちょっと、エル。急にどうしたの?」

エルフィーネは彼女の胸元に、顔を埋めるように押し付ける。
アーシャは少しだけ戸惑ったが、すぐに優しく彼女を抱きしめた。

「・・・・・・ありがとう。ホントに、嬉しいわ。」
「・・・エル。」

顔を埋めたまま、エルフィーネは呟くように感謝の言葉を述べた。
そして、アーシャに頼み地に下ろしてもらうと、早速その場に座り込んで地図を広げ始めた。
アーシャはエルフィーネの傍らに座ると地図を覗き込む。

「・・・とりあえず、手近な施設から順番にあたってみたいのだけど、他に何か案ある?」

流石の美咲でも、明らかに危険な場所で突っ立ってはいまい。
とりあえずは、手近な施設なり落ち着けそうな場所なりを探して移動するだろう。
そう考えたエルフィーネは、まずは地図に記載されている施設を片っ端からあたることにした。

「そうですね。・・・特にないですよ。」

アーシャは目に飛び込んできた『国立魔法研究所』という文字に気を取られた。
恐らく知り合いは皆、この施設を目指すに違いない。
そう考えた途端、アーシャは急行したい衝動に駆られた。
慌ててアーシャは、つい先ほど自分で言った言葉を思い出す。
アーシャは、降って沸いた衝動を押さえ込むことに成功した。
一方のエルフィーネは彼女の回答までの間から、その一部始終を僅かであるが感じ取っていた。
心の中でアーシャに謝罪の言葉を一言述べ、エルフィーネは続きを話す。

「・・・そう。じゃあ、まずはこの『リザードマンの村』から立ち寄ってみましょうか。」
「リザードマンって多分、あのトカゲみたいな魔物のことですよね。」
「多分、そうね。あの蔓の件もあるし、近くまで行った所で一度、危険がないか確かめる必要がありそうね。」
「そうですね。・・・じゃあ、早速向かいましょうか。」

アーシャが立ち上がるよりも早く、エルフィーネは立ち上がる。
そして、未だ中腰状態の彼女の手を引いて走り出した。

「ぅわっと?!」
「ささっ、早く行こっ! アーシャお姉ちゃん♪」
「・・・分かった、分かったから。急に引っ張ったりしないで、エル。」
「ふぁ〜い・・・。じゃっ! 早くいこっ♪」
「・・・たはは・・・。」
(本当に、変わり身の早い女性{ひと}だなぁ・・・。)

エルフィーネに手を引かれながら、アーシャは唖然としていた。
今まで、彼女ほど変わり身の早い人物に会ったことはない。
どう接すればよいのか分からず、アーシャはただ苦笑するしかなかった。

〜〜〜〜
あれから、少しばかりの時が過ぎた。
エルフィーネが一歩前を歩く形で、二人はリザードマンの村を目指していた。
二人はあの蔓が襲ってきた場所を、周辺の光景や地名から『悪夢の草むら』と仮定していた。
それ故に、今は森の中をコンパスを頼りに南西へと進んでいた。

「・・・ねぇ、お姉ちゃん。」
「・・・やっぱり、気のせいじゃないんだね?」
「うん・・・。なんか、さっきからずっと凄くヘンな視線を感じる。」

エルフィーネは立ち止まり、上を見る。
アーシャもそれに倣って上を見た。
二人の視界に、緑色の葉を纏った枝が複雑に絡み合い、空を覆い隠している光景が映った。
見上げながら、アーシャはエルフィーネの傍に歩み寄る。
そして、少しだけ腰を落として小太刀の柄に手をかけた。
エルフィーネも首に提げたロザリオを右手に軽く握る。

「・・・・・・伏せて!」

アーシャの叫び声でエルフィーネはその場に伏せる。
アーシャはそれに覆い被さる様に伏せた。
その直後、二人の頭上を黒い影が1つ、掠めていった。
アーシャは素早く立ち上がる。
そして抜刀体勢をとりつつ、振り返って影の正体を確かめた。

「・・・はぁっ?」

影の正体、それは愛らしい栗色の小動物、モモンガだった。
アーシャはその意外過ぎる正体に、手に持っていた小太刀を落としそうになる。
そして、必要以上に気を張り過ぎていたと苦笑する。
モモンガはその小さく丸い目でアーシャをじっと見つめていた。

「もぉ〜、脅かさないでよぉ・・・。」

アーシャは小太刀を左手に持ち、ゆっくりとモモンガへ近づく。
モモンガは身体を小さく撥ねさせ、身を固めながらアーシャを見つめた。
アーシャはその様子に苦笑する。

「何も、そんなに怖がらなくても・・・。ほらっ、全然、怖くないよっ?」

アーシャは笑顔でゆっくりと、無防備にモモンガへ近づく。
エルフィーネはその光景に何故か不吉な予感を感じていた。
先のヘンな視線は、間違いなくあのモモンガの物だろう。
しかしモモンガといえば、主に木の実を食べる雑食性の小動物である。
あの視線は、どちらかと言えば獲物を狙う肉食性の動物の物に近かった。

(あの視線の主は、ホントにアレだったのかしら・・・?)

もし、本当だとすれば、アレは自分や彼女の知るモモンガとは似て非なる動物ということになる。
そんな正体不明の動物に対して、今の彼女はあまりにも無防備に距離を詰めている。
エルフィーネは妙な胸騒ぎを感じていた。
その理由は、すぐに分かった。
アーシャが手を伸ばせば届くくらいまで近づいた瞬間、件の動物の目の色が変わったのだ。
それは間違いなく、獲物を狙う肉食獣の目であった。
エルフィーネは全身に悪寒が走るのを感じ、走り寄りながら叫んだ。

「離れなさいっ!! アーシャ!!」
「・・・えっ? ――わっぷっ!?」

エルフィーネが叫ぶのと、モモンガが飛び掛るのはほぼ同時だった。
モモンガはアーシャの顔面に覆い被さるようにしがみつく。
アーシャは予想外の衝撃に尻餅をつく。
アーシャは非力な小動物だと思って、顔面にしがみついたモモンガを軽く引き剥がそうとする。

「んぶっ!? んんーっ!!」
(えっ!? うそっ!! どうしてっ!?)

しかし、予想以上にモモンガの力は強く、中々剥がれなかった。
アーシャは段々と息苦しくなっていくのを感じていた。
そして、気が付けば彼女は持てる限りの力で、モモンガを引き剥がそうとしていた。

「んふっ・・・んふーっ!」
(ま、まずい! このままじゃ・・・息が、できない・・・!!)

身体の細胞が新鮮な空気を求めて、暴れ出すのを感じる。
このままでは窒息してしまうだろう。

(くっ! ・・・仕方ない。ごめんね、モモンガさんっ!!)

アーシャは威力を最小限まで絞ったファイアボールをモモンガに掠める。
毛先が焦げる感覚に度肝を抜かれたのか、モモンガはアーシャの顔面から飛び退く。
そして、そのまま近場の枝に張り付いた。
アーシャは肩で大きく息をしながら、モモンガを視界に捉える。
エルフィーネはそのアーシャの前に割って入り、ロザリオを強く握りしめた。

「・・・待って!」
「・・・甘いわよ。」

アーシャの制止の声に、エルフィーネは振り返らず応える。
アーシャはエルフィーネの後ろから肩に手を置いた。

「アレは本気で私達を狙っているわ。このままじゃ、殺されるわよ。」
「分かってます! でも、あの男に操られているだけという可能性だって・・・」
「・・・好きにしなさい。」

エルフィーネは態と大きな溜め息をして、ロザリオから手を離した。
アーシャはその様子に苦笑して、それからすぐに真剣な表情でモモンガを見据える。
モモンガは隙あらば飛び掛るつもりなのか、じっと此方を見つめていた。
アーシャはエルフィーネに下がるよう手で促す。
エルフィーネはすぐさま、アーシャの後ろに回りこんだ。
アーシャは一度深呼吸してから徐に右の掌を翳す。

「・・・フレイムバースト!!」

翳された掌の前に炎の球体が形成され、渦を巻きながら大きくなっていく。
程よい大きさになった所でアーシャは掌を眼下の地面に向け、意識を解放した。
炎の球体は掌の向いた先へ真っ直ぐ飛び、程なくして着弾する。
凄まじい爆音と供に地面を抉った。
巻き上げられた大量の土が煙となり、強風に乗ってモモンガに牙を剥く。
視界を遮られたモモンガは、その場から動くことができなくなった。

「逃げるよ! エル!」
「分かったわ! って、ちょっと何!? わっ!!」

アーシャは振り返りながら、エルフィーネに小太刀を投げ渡す。
エルフィーネは小太刀を慌てて受け取る。
アーシャはエルフィーネを素早く抱き抱えて走り出した。

〜〜〜〜
「・・・おい。本当に、大丈夫か?」

ロシナンテは立ち止まり、振り向く。
その視線の先には、今にも倒れそうな足取りの人間、川澄シノブの姿があった。
シノブはあの後、半ば強引にロシナンテの手を払いのけ、自らの足で歩んでいた。
シノブはロシナンテの視線に気付くと、笑顔を見せて応える。

「ダイジョブ・・・だって。・・・これぐらい、気合と・・・根性で・・・なんとか・・・わっ!?」

足元にあった小さな窪みにつまづき、シノブは体勢を崩す。
ロシナンテは慌てて駆け寄ると、シノブを支えた。

「ちっとも大丈夫じゃないだろう! シノブ、無理をするな!」
「へへっ・・・心配してくれるのか、ありがとな。」
「バッ、バカを言うな! お前に私の死に場所を決めてもらう前に死なれては困るだけだ!」

ロシナンテは再び歩き出そうとしたシノブを強引に座らせる。
そして、ロシナンテはその傍らに座ってデイパックに手を突っ込んだ。

「とりあえず、コレでも飲んでおけ。水を取り出した時に見つけたヤツだ。多分、毒ではないだろう。」

そう言ってロシナンテはデイパックから瓶を1つ取り出し、シノブに手渡した。
シノブは渡された瓶のラベルを確認する。
所々掠れて印刷が薄くなっているラベルには『滋養強壮に、SMドリンク』と書いてあった。
勿論、この状況下に限っては、その謳い文句通りの中身である保障はない。
しかし、ここはロシナンテの直感を信じることにした。
シノブは早速瓶の蓋を開け、半分ほど中身を口の中へ流し込んだ。

「・・・・・・コ、コレはっ!?」
「どっ!? どうした!! シノブ!! まさかっ・・・!!」
「うっ・・・うめぇーーっ!!」

シノブにとって、この手のドリンク剤はあまり美味しくない物だという前提があった。
しかし、このドリンク剤はそんな前提をあっさりと覆してしまった。
シノブはこの感動をロシナンテに伝えるべく、彼女に一口飲んでみるよう勧める。
ロシナンテは渋々、一口飲んでみることにした。

「・・・うげぇ!! シ、シノブ!? ホントにお前、コレを・・・!!?!」

ロシナンテは言葉を失った。
今まで口にしたことがないような不味い飲み物を、彼女は本当に美味しそうに飲んでいたからだ。
その様子に暫く唖然としていたロシナンテは、大きく溜め息をついて我に返る。

「・・・・・・まったく、お前は本当に面白い人間だな。」
「んっ?なんか言った?」
「・・・いや。それより、どうだ?」
「おうよっ♪ なんか、心なしか身体が軽くなった気がするよ♪ ありがとな、ロシナンテ♪」
「・・・・・・それは、なによりだ。」

シノブは飲み干した空き瓶の蓋を閉めて、デイパックへと放り込む。
それから勢いをつけて立ち上がると、笑顔で拳や蹴りを空に放ってみせた。
ロシナンテは再び溜め息をつくと、ゆっくり立ち上がる。

「っ!?」
「(っ!?)」

その矢先、遠くの方で爆発音が1つ鳴る。
二人はその方角に顔を向けた。

「(リト!! 何か分からないかっ!?)」
「(僅かですが、爆発音のした方角に人の気配が2つ感じられます。詳細は、もう少し近づかないと分かりません。)」
「・・・ロシナンテ!」
「・・・行ってみるのだな! いいだろう! 危険分子かどうか見極める必要もあるしな!」

二人は同時に頷くと、デイパックを背負い音のした方角へ走り出した。

〜〜〜〜
「・・・!!」

アーシャはその場で突然立ち止まる。
そして、真剣な眼差しで前方を見つめた。
胸元に抱きかかえられていたエルフィーネも、その方角をじっと見つめていた。

「・・・さっきのアレで、引き寄せてしまったみたいね。」
「そうですね・・・。」

アーシャはその場にエルフィーネを下ろすと、渡していた小太刀を受け取る。
そして、エルフィーネの一歩前に出て、柄の握り具合を確認する。
障害物が多く、まだ距離もあるせいか詳しくは分からないが、二人は前方に人の気配を感じていた。
その気配は少しずつ存在感を増してきている。
つまり、此方へと近づいてきているのだ。

「・・・どうします?」
「そうね・・・。隠れても九分九厘無駄だろうし、此処は、相手の出方を見ましょう。」

真っ直ぐ近づいてきている所から見て、相手は此方の存在に気付いているに違いない。
アーシャは小さく頷くと、抜刀体勢を整えながら前方に意識を集中させた。

「・・・待って、アーシャ。」
「・・・えっ?」

エルフィーネは突然、アーシャの前に出て制止を促す。
そして、耳を澄ませて前方の音を拾い集めた。
風に揺られ擦れ合う葉の音に混ざり、微かだが気配の主の物と思われる息遣いがする。
残念ながら、その声質は捜している人物の物ではない。
しかし、過去に一度何処かで聞いたことのある物だった。
エルフィーネは記憶の海に潜り、何処で聞いたのかを調べる。

(・・・・・・思い出したわ! 美咲の部屋を漁った時に観た、記録ディスクに映ってた人の物だわ!)

エルフィーネは一枚の記録ディスクの存在を思い出す。
何時だったかは忘れたが、美咲弄りネタを確保するため、美咲が留守の隙に忍び込んだ時に見つけた物だった。
エルフィーネは年頃の娘が内緒で観たくなるような、恥ずかしい映像が記録されている物だと思って再生した。
しかし、そこには期待していた映像は映っておらず、美咲と親しそうに話す蒼い髪の少女の姿が映ってるだけだった。
背景が如何にも彼女の組織が好みそうな、宴の最中のであったことから、彼女と同じ境遇の少女なのだろう。
二人は撮られていることに気付くと、所謂カメラ目線で仲良くVサインをして、そこで映像は途切れていた。

(確か美咲は『遠くの町に住んでる親友だ。』って、言ってたわね。名前はえっと・・・川澄、シノブだったかしら。)

もう一つ、別の全く知らない息遣いも感じられたが、少なくとも彼女は信用できる人物である。
その彼女と行動を供にしているのだ、問答無用で襲い掛かってくることはないだろう。

「・・・私の、知り合いかもしれないわ。」
「えっ、それじゃあ・・・」
「残念だけど、捜している人じゃないわ。・・・正確に言えば、私の大切な人の親友よ。」
「そう、ですか・・・。」

それから、エルフィーネは大きく息を吸う。

「美咲っちぃぃーーっっ!! 何処に居るのぉぉーーっ!!」
「エッ、エルフィーネさん!?」
「いいから、任せて。・・・美咲っちってばぁーーっ!!」

突然大声で人の名前を叫び始めたエルフィーネに、アーシャはただ困惑するしかなかった。

〜〜〜〜

「(――シノブさん。)」
「(・・・今、『ミサっち』って声がしたな。ミサっちって・・・あの、ミサっちのことかな?)」

シノブは立ち止まり、久しく会っていない親友の姿を思い描く。
勿論、彼女のことではないかもしれない。
寧ろ、その可能性の方が圧倒的に高いはずである。
それでもシノブは、彼女のことだと思った。
シノブにとって、『ミサっち』と言えば彼女しか居なかったからだった。

「(・・・此方を警戒していますが、殺意や悪意は感じられません。少なくとも罠ではないでしょう。)」
「(・・・そうか。)」
「・・・おい、どうしたシノブ? 急に立ち止まって・・・。やはり、無理をしてるんじゃ・・・。」

ロシナンテは、シノブが立ち止まったことを不審に思い駆け寄った。
シノブは彼女の問いに笑顔で応えると、再び走り出した。
ロシナンテは、彼女の行動に困惑しながらも後を追った。

〜〜〜〜
「・・・居たっ!」

それから程なくしてロシナンテは、前方に二人の人間の姿を見つけた。
金髪の少女は、声を大にして誰かの名を叫んでいて、赤い髪の女性はじっと此方を見たまま動こうとしない。
彼女の行動を止めようとしない所から察して、これはあの二人の作戦なのだろう。
ロシナンテはそう確信した。

「どんな策があるのかは知らんが、やられる前に・・・」
「待ってくれ! ロシナンテ! アタシは、あの二人と話し合ってみたい!」
「お前っ! 何を言って! ・・・相変わらず、甘いヤツだな。」

シノブの有無を言わせない力強い視線に、ロシナンテは態とらしい溜め息をつく。
そして、速度を落とし彼女の一歩後ろへついた。

「いいだろう! 但し、少しでも危うくなったらその時は・・・」
「分かってるよ。・・・すまないな。」

シノブは一度大きく息を吸うと、前方の二人に対して声を掛けた。

「おーい! あんた達ぃー!」

金髪の少女、エルフィーネはシノブの呼びかけに気付くと、叫ぶのを止める。

「・・・行くわよ。」
「・・・了解です。少なくとも、敵意はなさそうですし。」

アーシャはエルフィーネの言葉に従い小さく頷く。
エルフィーネは再び大きく息を吸うと、蒼い髪の少女、シノブの呼びかけに答えた。

「なぁーにぃー! お姉ちゃぁーん!!」

シノブはエルフィーネの回答に話し合いに応じる気配を感じ、笑顔で手を振る。
4人の距離が詰まり、お互いに全身が確認できるぐらいになった頃、ロシナンテの戦士としての勘が戦慄いた。
前方に居る赤い髪の女性、アーシャに自分と同じ炎使いの臭いを感じたからだった。

(ア、アイツ・・・かなり強そうだ! 打ち滅ぼせばさぞ、甘美なる糧になるだろうな・・・!!)

ロシナンテは今すぐにでも、彼女に戦いを挑みたくて仕方なかった。
しかし、シノブとの約束がある手前、先に手を出すワケにもいかない。
ロシナンテは戦いたくて疼く身体を、何とか抑え込みシノブの後ろに控える。
シノブはエルフィーネとアーシャの前で立ち止まると、膝に手を突いて荒々しく呼吸を整える。

「なっ、なぁ・・・あんた。『ミサっち』って・・・えっと・・・」
「(・・・鬼龍院美咲ですよ。親友なのですから、フルネームぐらい覚えていましょうよ・・・。)」
「(う、うっさいなぁ!ちょっと、思い出すのに手間取っただけだって!)」
「・・・美咲。鬼龍院、美咲のこと?」
「・・・えっ!? どっ、どうして、知ってるの!? お姉ちゃん!!」
(って、質問が直球すぎね・・・。流石、美咲の親友だわ・・・。)

エルフィーネはシノブの直接的質問に唖然としていた。
普通こういう場合、まずは自分の知り合いのことを指しているのかどうか確かめるだろう。
ごく一部の身内しか知らないような呼び名ならまだしも、『みさっち』なんて呼び名は世の中に溢れている。
それなのに彼女は初めから鬼龍院美咲のことだと決めて掛かっていた。
もし違っていた場合のことを考えない姿勢は、流石は美咲の親友といった所である。
エルフィーネは一人納得しながら、シノブの言葉を待った。

「そっか! ・・・安心してくれ! アタシ、川澄シノブ! 鬼龍院美咲の親友さっ♪」
「えっ!? そ、そうなの! ・・・それなら、安心ねっ♪ あたし、エル! 鬼龍院エル!」
(って、普通は安心できないわよ。・・・まぁ、いいけどね。)
「えっ、鬼龍院・・・。ってことはミサっちの、いも・・・」
「美咲はあたしのママだよっ!」
「へぇ〜・・・そうなのか。ミサっちの子供・・・・・・・・・なにぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいぃぃいぃぃぃっっ!!」
「ええぇぇーーっ!?」

シノブは驚愕の叫び声をあげた。
同時に、アーシャも驚愕の声をあげた。
アーシャはエルフィーネを後ろから小突いて小声で問いかける。

「エ、エル! 貴女の大切な人って母親な・・・」
「冗談よ♪ 私の正体は貴女も知っての通り。」
「じょ、冗談って・・・」
「それとも貴女は、年端もいかないような少女を親友に持つ、私を産めるような年齢の女性{ひと}がいると思うの?」
「そ、それは・・・そうですけど・・・」
「それに、この姿の時は、そういうことにしておいた方が色々と都合がいいのよ。」
「・・・そうなん、ですか。」
(・・・って、いったいどう、都合がいいんだろう?)

アーシャは何処か腑に落ちない物を感じながらも、彼女の言い分を受け入れることにした。
一方、衝撃が大きすぎたシノブは、あんぐりと口を開けたまま立ち尽くしていた。
エルフィーネは大きく溜め息をついて、呆然としているシノブに声をかける。

「ねぇねぇ、シノブお姉ちゃん。」
「・・・・・・えっ? な、なに?」
「お姉ちゃんの後ろで、さっきからなんかこわぁ〜い目をしてる人だぁれ?」
「んっ? あ、ああ。えっと・・・ロシナンテ。アタシの仲間・・・だ・・・!?」

シノブはロシナンテの方を振り返り驚愕する。
彼女の目が自分と初めて出会った時の目と同じ物だったからだ。
シノブは慌ててロシナンテの視線を追う。
その視線の先に居たのは、赤い髪の女性であった。

(ヤ、ヤバイ。確かに強そうだ。アイツが目を付けるだけのことはある・・・。)

シノブは簡素な鎧に身を包み、小太刀を携えた彼女を見る。
彼女は表情こそ穏やかなれど隙がなく、ロシナンテが好みそうな毛色の気配を僅かに発していた。
このままでは、ロシナンテが問答無用で戦いを仕掛けるのも時間の問題だ。
何とか丸く収めなくては。
シノブがそう思った刹那、ロシナンテが叫ぶ。

「お、お前っ!」
「へっ!? わ、私っ!?」

ロシナンテはアーシャを指差す。
アーシャは突然の指名に困惑しながらも、彼女を真っ直ぐ見据えた。

「そうだ! お前だっ! ・・・お前、約束しろっ!!」
「・・・えぇっ!?」
「この騒動が終わったら、私と正々堂々戦え! いいなっ!」
「そ、そんなこと、いきなり・・・」
「シノブ!!」

ロシナンテはアーシャの回答を待たず、シノブを呼ぶ。
この事態の収拾をつける方法を考えることに夢中だったシノブは、突然呼ばれ身体を小さく撥ねさせた。

「お前との約束は、魔族の誇りに賭け必ず守る! ・・・だが、その前に! アイツと戦わせてくれっ! 頼む!」
「・・・分かったよ。好きにしてくれ。」
「・・・感謝するぞ。シノブ。」

ロシナンテは深く頭を下げた。
一方的に挑戦状を突きつけられたアーシャは、凄く厄介なことに巻き込まれてしまったと苦笑いをするしかなかった。

〜〜〜〜

それから4人は改めて自己紹介をして、情報交換をすることにした。

「そうか・・・。ミサっちや、アーシャさんの知り合いも巻き込まれてるのか・・・。」
「うん。それで、あたし達は美咲ママや、アーシャお姉ちゃんの知り合いを探して近い順に施設を巡ろうとしてたの。」
「アタシ達はリザードマンの村とかいう場所で出会ったけど、あの場に居たのはアタシらだけだったよな。」
「うむ。もう一人居た人間は、あの後何処かへ逃げ去ったしな。村を出た時にも、周囲に人間の気配はなかったぞ。」
「そうなんだ・・・。私達はこれからその村に向かおうと思ってたんだけど、それなら後回しでもいいかもね。」

アーシャの言葉にエルフィーネは頷く。
勿論、二人が村を出てくる時に入れ違っている可能性は否定できない。
しかし、此処は二人の顔を立てることにした。

「それで、シノブとロシナンテは、これから何処へ行こうとしているの?」
「アクアリウムに向かおうって思ってるんだ。そこで、アタシの先輩と姉貴分と落ち合うんだよ。」
「へぇ〜・・・。そうだ! アーシャお姉ちゃん! 折角だし、あたし達も一緒にアクアリウムに行こうよ!」
「ん、そうだね。大勢で行動した方が安心だしね。二人さえよければ、一緒に行こうか。」

エルフィーネの提案に、アーシャは賛成する。
そして、アーシャはシノブとロシナンテに目配せをした。
二人は一度顔を見合わせてから、大きく頷く。

「よぉ〜し! じゃあ、早速行こっ!」

エルフィーネの掛け声に、シノブは大きく手を突き上げて応える。
そして、走り出したエルフィーネの後について走り出した。
その後ろをロシナンテが慌てて追いかける。

(気が付いてみれば、一気に賑やかになったなぁ・・・。)

アーシャは個性の強い3人の後ろ姿に、頬を軽く掻いて苦笑した。
それからアーシャは、3人の後を追いかける。
――此処に今、個性豊かな戦士達が集った。
【D−2:X2Y4/森/1日目:午前】

【アーシャ・リュコリス@SILENT DESIRE】
[状態]:所々に軽い擦り傷の痕、健康、残魔力十分
[装備]:なぞちゃんの小太刀@アストラガロマンシー
[道具]:デイパック、支給品一式
デッキブラシ@La fine di abisso
ヨーグルトx3@生贄の腕輪
[基本]:対主催、できれば穏便に済ませたい
[思考・状況]
1.ロシナンテ、エルフィーネ、川澄シノブとアクアリウムに向かう
2.ルーファス・モントール、エリーシア・モントール、クリステル・ジーメンスを探す
3.首輪を外す方法を探す
4.ロシナンテに対決を申し込まれたが受けるつもりはない

※彼女が案じていた女性の正体はミアですが、顔も名前も知りません
 但し、出会えれば気付ける可能性はあります
※銃=威力の高い大きな音のする弓矢のような物という認識をしました
※エルフィーネの要望に応え、彼女の変身については誰にも言わないことにしました

【エルフィーネ@まじはーど】
[状態]:所々に軽い擦り傷の痕、健康
[装備]:ロザリオ@まじはーど(残魔力半分程度)
[道具]:デイパック、支給品一式
モヒカンの替えパンツx2@リョナラークエスト(豹柄とクマのアップリケ付きの柄)
[基本]:対主催、鬼龍院美咲{きりゅういん みさ}を探す
[思考・状況]
1.ロシナンテ、川澄シノブ、アーシャ・リュコリスとアクアリウムに向かう
2.鬼龍院美咲を探す
3.首輪を外す方法を探す

※とりあえず初めて出会う相手にはエルと名乗ることにしています

【ロシナンテ@幻想少女】
[状態]:健康、残魔力十分
[装備]:無し
[道具]:デイパック、支給品一式(水を0.25L程度消費)
SMドリンクx9@怪盗少女
防犯ブザー@一日巫女(本人は未確認)
ガトリング(弾無し、安全装置未解除)@えびげん(本人は未確認)
[基本]:強者と戦い打ち滅ぼす
[思考・状況]
1.川澄シノブと行動を供にする
2.自分の死に場所を言ってくれるまで何があっても川澄シノブを死なせない
3.川澄シノブとの約束を果たす前に、アーシャ・リュコリスと戦う

※エルフィーネを鬼龍院美咲の娘だと勘違いしています

【川澄シノブ{かわすみ しのぶ}&スピリット=カーマイン@まじはーど】
[状態]:火傷の痕、肉体疲労、気力充実、魔力十分
[装備]:無し
[道具]:デイパック、支給品一式
SMドリンクの空き瓶@怪盗少女
あたりめ100gパックx4@現実世界(本人は未確認)
財布(中身は日本円で3万7564円)@BlankBlood(本人は未確認)
ソリッドシューター(残弾数1)@まじはーど(本人は未確認)
[基本]:対主催、”悪”は許さない、『罪を憎んで人を憎まず』精神全開中
[思考・状況]
1.ロシナンテ、エルフィーネ、アーシャ・リュコリスとアクアリウムに向かう
2.バトルロワイヤルを止めさせる方法を探す
3.なるべく大勢と脱出する
4.ロシナンテについ死に場所を決めてやるなんて言ってしまったがそんな気はない

※エルフィーネを鬼龍院美咲の娘だと勘違いしています

@後書き
エルフィーネの性格が変わってしまった気がしてなりません。(^^;
彼女が見た映像ディスクは、裂羅誠道会とオニガワ組の親睦会で数年ぶりの再会を果たした時の映像ということにしときます。
時系列的には1年前ぐらいの話ということにしときます。
ちなみに、その後勝手に部屋を漁ったことがバレたエルフィーネは、美咲にたっぷり折檻されました。(´ω`)

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