おさがし大作戦!?

 
「やーっと、着いたわぁー・・・。」

えびげんは商店街の入口に立って大きく伸びをした。
それから首と両肩をゆっくり回して関節を軽く鳴らすと、大きな溜め息をついた。

「『着れそうな服を取って来い』って、言われてもねぇ・・・。」

重い足取りで商店街に踏み入ってまた溜め息をつく。

「私・・・服を選ぶのって初めてよ・・・?」

えびげんは物心付いた頃から兵器弄りが大好きで、兵器以外の事柄には全くといっていいほど興味がなかった。
なので、服は軍から支給された物か、身内や知人から貰った物を着ていて、自分で服を選んだ記憶はなかった。

「しかも他人の、あんな子の着る服を選ぶなんて・・・。」

えびげんは、あの子は自分と違って服に五月蝿いだろうと直感していた。
今まで他人から貰った物を特に考えもせず着ていた自分に、そんな彼女が満足するような物を選べるワケがない。
えびげんは彼女の顔を思い浮かべ大きく溜め息をつく。

「・・・もう、どうなっても知らないからねっ。」

えびげんはその場の勢いで服選びを承諾してしまったことを後悔しつつ、商店街の探索を開始した。

〜〜〜〜

(あぁー、面倒だなぁー・・・。)

えびげんはフラフラと商店街を歩きながら、何度目か分からない溜め息をつく。

(頑張ったら報酬がナイフからショットガンになるなら、意地でも探そうって気にもなるのになぁ・・・。)

確かにナイフだって報酬として魅力がないワケではないが、やはりショットガンの魅力には敵わなかった。
しかし、彼女の性格や現況を考えると、例えどんなに頑張っても報酬がショットガンに変わる可能性はないだろう。

(・・・”いんせんてぃぶ”の力って偉大なのねー・・・。)

えびげんは、頑張りに応じて追加報酬が出る制度の有難味を噛み締めながら探索を続けた。
それから暫くが立ち、えびげんはようやく服がありそうな建物を見つけた。
えびげんは建物の入口に立ち、傍らに立てかけてある看板の文字を目で追う。

「えーっと・・・『洋服屋、YOU FUCK』・・・・・・。」

えびげんは看板をつい音読してしまったことを激しく後悔し、その場に崩れ落ちた。
えびげんはフラリと起き上がると、湧き上がるやるせなさと悔しさを晴らすために看板を払うよう回し蹴りを浴びせた。

「・・・必ずぶちのめしてやるから、覚悟なさいっ! ハデ夫ぉぉぉっ!」

えびげんは断末魔の叫びとも思える音を響かせ、地面を勢いよく転がっていく看板を尻目に叫ぶ。
それから目の前のガラス張りの扉を蹴破って建物へと入った。

〜〜〜〜

「・・・と、どんな服を持っていったらいいのだろう。」

いくら追加報酬が期待できないとはいえ、もう一度行ってこいと言われるのだけは避けたい。
そう思ったえびげんは入口奥にあった”女性服売り場”と書かれた一角で佇み、首を捻った。

(うーん・・・やっぱり、動物の絵が入った服とか動物柄の服がいいのかな?)

えびげんは服装の参考にするため、前に一度だけ資料室で見た市民生活の記録映像を思い出していた。
そこでは女性は動物の柄や絵が入った服を、当たり前のように着ていた。
ただ、着ていた女性の年齢が少し高かった記憶もあるので、あの子にも当てはまるかの自信はない。
しかし、服装に関しての知識がないえびげんは、この記憶に賭けるしかなかった。

「・・・動物っぽいのといえば、これね。」

えびげんは豹柄のワンピースを手にとった。
えびげんは彼女の背丈を思い出し、少し大きいかもしれないが着れないワケではないと判断してデイパックへと入れた。
次の候補を選ぼうと思った矢先、隣に置いてあった白黒の服が目に留まる。
えびげんはその服を手にとって広げてみた。

「・・・パンダのきぐるみ・・・ねぇ・・・。」

その服は紛れもなく、子供向けのパンダのきぐるみだった。
ふさふさの布地は触ってて少し気持ち良いし、フードには耳のような物もついている。
なんとなく触り心地が気に入ったえびげんは、一応持っていくことにした。

(さて・・・豹にパンダと来たら・・・クマね。)

何故そういう結論へ辿りついたのか、えびげん自身にもよく分からなかった。
しかし、考えなおすのも面倒だと思ったえびげんは、クマの絵が入っている服を探した。

「・・・っと、あったあった♪」

えびげんはクマが鮭を咥えている絵が描かれたティーシャツと、赤いサスペンダースカートのセットをデイパックへと入れた。
えびげんが踵を返し、店を去ろうとした時、店内の吊り下げ広告が目に留まった。

「・・・『女の子に人気の2着はこちらです!』ですって?」

此処が普通の洋服屋ならば、その謳い文句を信じることもできただろう。
しかし、此処はあのハデ夫の用意した建物である。
正直、全く信用できない謳い文句だ。

(・・・でも、ちょっと気になるわね。)

広告の矢印が指している場所が出入り口に近い場所だったので、えびげんは去り際に横目で一瞥していくことにした。

「・・・・・・はっ?」

そこには極々普通のドレスとビキニのような軽装の鎧が置いてあるだけだった。
どんな突っ込みがいのある物が置いてあるのかと期待していたが、この2着はえびげんの期待に副える物ではなかった。
暫く唖然として佇んでいたえびげんは、首を激しく振って我に返ると大きな溜め息をついた。

「・・・一応、持っていこう。」

えびげんは全身の力が抜けていく感覚を覚えながら、その2着をデイパックに放り込んだ。

〜〜〜〜

それからえびげんは、もう一つの、本来の目的を果たすため商店街の探索を続けていた。

「・・・あったわっ!」

えびげんはようやく見つけた目的地へと駆け寄る。
そして、傍らに立てかけてある看板に目を通した。

(『ガンショップ、鴈爺さんと癌』・・・? 此処までくるともはや意味不明ね。・・・でも、まぁいいわ。)

相変わらずセンスのない看板を脇目に、えびげんは意気揚々と建物へと入った。

「・・・うわあああああぁぁああああーーっ!!」

えびげんが入るなり、その視界いっぱいに様々な銃器が広がった。
えびげんはその光景を見てつい、感情のままに叫んでしまった。

(模型だらけだけど・・・最高の空間だわぁぁーっ♪)

所狭しと並べられた銃器の殆どがひと目で模型と分かる物であった。
しかし、模型とは言え見た目は全て銃器である。
実際に触って撃つのと同じぐらい、飾って眺めているのも大好きなえびげんにとって、この空間はまさに楽園であった。

「きゃあああーっ! ボーチャードピストルよーっ! レプリカだけど触れるなんて夢みたいー♪」

えびげんは本来の目的も忘れ、目に付いた模型を手にとってはクルクルと回したり、構えてみたりして堪能していた。
その時である。
えびげんは一番奥にたった1丁、周りとは明らかに違う雰囲気を持った銃を見つけて立ち止まった。

「・・・これ・・・本物・・・じゃないの・・・!?」

えびげんは興奮で震える手をゆっくり伸ばし、その銃に触れてみた。
触れた指先から伝わってきたのは、今まで散々触ってきた模型の持つ暖かみではない。
本物の銃だけが持つことを許された、あの独特の冷たさだった。

(間違いない・・・本物の・・・ボルトアクション式小銃よ・・・!!)

えびげんは生唾を飲み込み、それを手元に引き寄せ構えてみる。
模型では味わえなかった重みを全身で受け、えびげんの心が狂喜乱舞する。
えびげんは体温がぐんぐん上昇していくのを感じながら、構えを解いた。

(しかもこれ・・・資料でしかみたことがない・・・三八式歩兵銃だわ・・・!!)

えびげんは意外な所で見つけた小銃の、内部構造が気になって仕方なくなった。
えびげんはその場で座り込むと、メイド服に常に忍ばせてある銃器整備道具を広げた。

「ふっふっふっ・・・さぁー・・・ぜーんぶ、見せてもらうわよぉー・・・。」

えびげんは小銃を目の前に横たわらせると、鼻息荒く分解しはじめた・・・。

【A−2:X4Y2 / 商店街 / 1日目:午前】

【えびげん@えびげん】
[状態]:健康
[装備]:三八式歩兵銃+スコープ(残弾5発、肩掛け用のベルト付き)@現実世界(現在分解中)
メイド服@えびげん
[道具]:デイパック、支給品一式
髪飾り@DEMONOPHOBIA
エルデクーヘンx3@創作少女
魔封じの呪印@リョナラークエスト
パンダのきぐるみ@現実世界
豹柄ワンピース@現実世界
クマさんティーシャツ&サスペンダースカート(赤)@現実世界
ウェディングドレス(黒)@現実世界
ビキニアーマー@現実世界(コスプレ用のため防御力皆無)
[基本]:ハデ夫をぶちのめしたい
[思考・状況]
1.小銃分解して内部構造とか色々と調べたい
2.お使いとかどうでもいい、今は小銃を分解したい
3.ショットガンは惜しいけど、今は小銃を分解したい
4.ハデ夫はぶちのめしたいけど、今は小z(ry

@後書き
あれ? 全然、ロワしてない・・・。orz

次へ
前へ

目次に戻る




inserted by FC2 system