参加者達の頭上から、砂嵐のような音が聞こえだす。
初めは激しかったその音は次第に小さくなり、代わりに誰もが聞き覚えのある声が聞こえだした。
「あ゛ーあ゛ー、てすてす。・・・ふぅ、ようやく繋がった。ったく、そろそろコレ買い換えないといけないなぁ。」
人をバカにしたような、間の抜けた高い声、キング・リョーナの物だ。
「はぁーいみんなぁー♪ キング様の第1回、素敵な定時放送の時間だよぉー♪」
キングは一度間を置いて、参加者達の反応を一瞥して言葉を続ける。
「じゃあ、まずは初めての禁止エリアを発表するよ! 初めてだから、オニャノコ達がメモの準備ができてから話すYO!」
キングは女性の参加者達の様子を一瞥してから再び口を開く。
「2時間後の禁止エリアはC−2、4時間後の禁止エリアはB−1だよぉーん♪ オニャノコ達は絶対入っちゃダメだかんねっ!」
そして、一呼吸置いた後、キングは続ける。
「さて、次はー、みんな気になる死亡者の発表ー♪」
キングの後ろで、打楽器の音が滅茶苦茶に鳴り響いた。
「じゃ、名前を読みあげていくよー♪ 合掌の準備はいいかなー?
ひとーり、オルナ。
ふたーり、篭野なより。
さんにーん、神代伊織。
よにーん、神谷カザネ。
ごにーん、鬼龍院美咲。
ろっくにーん、那廻早栗。
ななにーん、トゥイーティ・プラム。
はっちにーん、萩の狐。
きゅーにーん、風香。
じゅーにーん、御朱冥夜。
じゅーいちにーん、リザードマン。
じゅーににーん、リース。
じゅーさーんにーん、ルーファス・モントール。
・・・以上だよーん、ツーワケで、はいっ、がっしょぉー・・・チーン・・・○ッ♪」
直後、キングの下品な笑い声と、厚い壁を叩いているような鈍い音が何度も聞える。
キングは暫く笑った後、一度大きく息を吸って続きを話す。
「ちなみに、今回のベストオブリョナエンドはぁー・・・教えてあげないよっ、じゃんっ! 僕はもう一回見てヌくけどねー♪」
キングは暫し優越感に浸ってから、咳払いをする。
「あ、後ね。僕の故郷はそろそろ夏なんで、それっぽく気温とか湿度とか上げてくんでよろしくっ。」
キングのその言葉を最後に、再び砂嵐のような音が参加者の頭上に響き、次第に聞えなくなっていく。
「――っと、忘れてた!」
砂嵐のような音が消えかかった頃、突然ブツリという大きな音と供に慌てた様子のキングの声が響いた。
「4時間後から2時間ほど、フィールド上に夏の風物詩、にわか雨を降らせるよ! ・・・って、予告したらにわか雨じゃないじゃんっ!」
キングは自分の台詞に自分で突っ込みを入れ笑い出した。
キングの笑い声は少しずつ遠のいていき、最後には完全に聞えなくなった・・・。
【残り38名】
@後書き
とりあえず、投下しておきます。
気温とか雨とか、勝手に追加してしまってすいません。><
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