三者三様の危機

 

「そんな……!なぞちゃん……美奈ちゃん……!」
「アーシャ……エリー……!」

ミアとクリスは先ほどの放送による死者の発表を聞いて、放心していた。

ミアは、この殺し合い開始直後に出会ったパートナーであったなぞちゃんと、
先ほどまで脱出を共にすると誓った仲間である美奈までが死亡しており、
クリスはこの殺し合い以前からの親友であり、もっとも信頼を置いていた二人の
仲間が死亡してしまったのだから……。

(……なぞちゃん……!美奈ちゃん……!)

自分がもっとしっかりしていれば、とミアは思わずにはいられなかった。
なぞちゃんも美奈も、自分の行動次第では救うことができたかもしれないのだ。
それを思うと、ミアは後悔で胸がいっぱいになった。

(アーシャ……エリー……まさか、貴女たちが死ぬなんて……!)

クリスには信じられなかった。
今まであらゆる事件や困難をあの二人は解決してきたのだ。

時には自分も二人を助け、支えてきただけに、クリスはあの二人の力は充分理解していた。
その二人がいくらこの恐ろしい殺し合いの中とはいえ、こんなにもあっさりと……。

クリスの瞳に涙が滲む。

あの二人はもういないのだ。
それを思うと、クリスの胸が張り裂けそうだった。

(……いけない……!今は感傷に浸ってる場合じゃ……!)

クリスは萎えそうになる意志に渇を入れ、俯いているミアに声をかける。

「……ミア……さっきの放送を聞いたでしょ……?
 もう……一刻の猶予も無いわ……」

その言葉にミアはハッとクリスのほうに顔を向ける。

「美奈ちゃんが……死んでしまった……!
 それは……初香ちゃんにも……危機が迫っていると……いうこと……!
 早く、あの子を……助けに……行って……あげて……!」

クリスは必死の思いで、ミアへ懇願する。

そう、ここでクリスと初香が死亡してしまえば、全ての希望は絶たれてしまうのだ。
魔術知識と機械知識……首輪には両方のトラップが仕掛けられている。
そのトラップを解除するためには、クリスと初香、二人は欠かせない存在なのだ。

もはや、生存者はわずか14名。

その内、味方と呼べる存在はクリス、ミア、初香、えびげん、ナビィ、
後は廃墟で出会った伊予那の6人。

そして、殺し合いに乗った者がモヒカン男とエルフ男。
殺し合いに乗った者は最低でも2人。

つまり、14人の内8人は既知の人物であり、そのうち2人は殺し合いに乗っている。
まだ出会っていない者で殺し合いに乗っていない可能性のある人物は
6人しか存在しないのだ。
その6人の中に魔術知識、もしくは機械知識を持ち、さらに殺し合いに
乗っていない者が存在する確率など皆無に等しい。

参加者全員の命が助かるかどうかは、クリスと初香の生存にかかっているといっても
過言ではないのだ。

「……分かった……!すぐに帰ってくるから……!」

ミアの言葉に、クリスは微笑んで頷く。
そして、ミアは迷いを振り切るように全速力で国立魔法研究所へと走っていった。

それを見送ったクリスは「ふぅ……」と息を吐き、背中を木に寄りかからせる。

そろそろ限界だった。
全身から血が流れ、骨折した左腕は熱を持って痛み出している。
頭を打ったせいで意識も朦朧としており、もはや意識を保つのも限界だった。

(……ごめん……皆……。少しだけ……眠らせてもらうわね……)

クリスは心の中で仲間たちに謝罪しつつ、意識を失った。




雪の降る道中を寒さに耐えながら、ミアは必死で国立魔法研究所を目指して走った。
そして、研究所に辿り着いたミアは休む間も惜しんで初香を探し始めた。

「初香ちゃんっ!!初香ちゃん、どこなのっ!!?」

ミアは大声で初香に呼びかけ続ける。
だが、いくら探し続け、呼びかけても返事は無い。

そのことに、ミアは焦りを覚える。

まさか、初香はすでに殺人者の手に……?

(……落ち着いて……!冷静になるのよ……!)

そうだ、ここで冷静にならなくてどうする。
今、初香を助けることができるのは自分だけなのだ。

そう思い、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

そこで、はたと気がつく。

そうだ。
考えてみれば、ここには初香以外にもあのモヒカン男とエルフ男がいる
可能性もあるのだ。

彼らがここにいるのなら、あれだけミアが大声で初香の名を叫び続けていて、
気がつかないはずがない。

考えてみれば、迂闊だった。
もし、彼らが初香を捕まえていて、彼女を人質にしてミアの前へ現れたとしたら?

そのとき、ミアはオーガが初香を人質にしたときと同じように
彼らに手出しできなくなるだろう。

どうやら、思った以上に動揺していたらしい。
モヒカンたちの襲撃と放送、ほぼ同時に起こった衝撃的な出来事のせいで
ミアは完全に冷静さを失っていたようだ。

そのことに気がついたミアはいくらか冷静になることができた。
そして、続けてミアは思考する。

モヒカン男とエルフ男、彼らはまだこの研究所内にいるのか?

(……いや、それはないわね……。
 すでに、私が初香ちゃんを探し始めてから、それなりの時間が経過している……。
 彼らがここにいるなら、今までに何か仕掛けてきたはず……)

ということは、モヒカン男とエルフ男はこの研究所から移動したことになる。
そして、モヒカンとエルフがこの場にいないということは、彼らはクリスの元へと
向かっているか、もしくはここから移動した初香を追っていった可能性が高い。

と、そこでミアはもう一つ大事なことを思い出した。

(……そうだ……禁止エリア……!)

先ほどの放送で、このA−4エリアは次の禁止エリアに指定されていた。

モヒカン男とエルフ男は、このエリアが禁止エリアに指定されたことも
理由の一つとして、この場から移動したのだろう。

だとすると、初香がここにいないのも頷ける。
このエリアが禁止エリアに指定されたにもかかわらず、あの聡明な少女が
この場に留まるはずがないからだ。

ならば、初香は外に逃げたに違いない。

急がなければならない。
ミアは、ここで無駄に時間を費やしてしまった。
早く初香を見つけなければ、取り返しのつかないことになるかもしれない。

一瞬、もしモヒカン男たちがクリスのほうへと向かっていたら、と考えると
ミアは不安になったが、結局は初香を追うことにした。

クリスならきっと大丈夫だ。
彼女は自分よりずっとしっかりしているし、怪我をしていても殺人者から
身を隠すくらいはできるはずだ。
それに、向こう側には商店街があり、商店街にはえびげんとナビィがいる。
放送で明空と美奈が死亡したことを知れば、必ず助けに来てくれる。
そのときに、クリスのことも見つけてくれると信じるしかない。

(今、一番危険なのは初香ちゃんだ……!早く初香ちゃんを見つけないと……!)

ミアはそう判断し、研究所から移動することにした。

しかし、先ほどより冷静になったとはいえ、やはりミアにはまだ焦りがあったのだろう。
普段なら気づくはずの気配……自分を狙う殺気に気づくことができなかったのだから。

ミアが研究所の出口から外へと出た瞬間、

ヒュバッ!!

「!!」

風を切る音。
咄嗟にブロードソードを掲げて防御の体制を取ろうとするが、間に合わない。

バキィィッ!!

「ああぁぁぁっ!!?」

わき腹に鋭く加えられた衝撃に、ミアは吹き飛ばされて地面に叩きつけられる。

「ぐっ……うぅっ……!」

ミアは呻きながらも身を起こし、自分に攻撃してきた相手を睨み付ける。

そこにいたのは、巨大な目玉を持つ粘液状の不定形生物……スライムだった。


 

ボキィィッ!!

「…………――――っ!!?」

突然、右腕に加えられた激痛にクリスの意識は覚醒した。

と、同時に髪をつかまれ、顔を地面に叩きつけられる。

「……がっ……!げほっ……!」
「よう、魔術師の女。こんなところで暢気に居眠りかい?
 気楽なもんだな、オイ?」

クリスには何が起こったのか分からなかった。
自分を地面に叩きつけている相手の声も、聞き覚えはあっても
朦朧とした頭では思い出すことはできなかった。

「おら、寝てねーで起きろよ。」
「あっ……ぐぅっ……!」

だが、再び髪を引っ張られ、無理やり顔を上げさせられたことで、
声の主の顔を視界に収めることができた。

「……貴方……は……!」
「よう、久しぶりだな」

にやにやと笑みを浮かべながら、ダージュはクリスの髪を掴み上げ、
自分のほうを向かせる。

「……もう一人の女はどこだ?
 まさか、お前を見捨てて逃げたってわけでもないだろ?」
「……答える必要は……無いわ……!」

ダージュの問いに、クリスは吐き捨てるように告げる。
だが、そんなクリスにダージュは余裕の態度を崩さない。

「ま……あのガキどもを探しにあの研究所に戻ったってとこだろ。
 違うか?」
「……さぁ……どうかしら、ね……?」

クリスは惚けるように答える。

ベキィィッ!!

「!!?……うああああぁぁぁぁっっ!!??」

胸を思い切り蹴り飛ばされた。
掴み上げられていた髪が衝撃で何十本か引き抜かれ、頭部に痛みが走る。

「惚けても無駄だぜ。この状況であの女が満身創痍の仲間を放っていく
 理由なんて、それくらいしか思いつかねーからな」

ダージュはくくっと嗤いながら、苦痛の呻きを漏らしているクリスを
愉快そうに見下している。

激痛に苦しみながら、クリスは自分の身体状況を確認する。

まず、全身打撲に擦過傷。
これは気絶する前からの怪我であり、改めて確認するまでも無い。
左腕の骨折、これも同じだ。
だが、それに加えてどうやら右腕の骨折、さらに先ほどの蹴りによって
胸骨も骨折しているようだ。

(……これは……逃げるのは諦めたほうが良さそうね……)

確認するまでもなく、この状況では逃げることは無理だろう。
今の自分の怪我では、逃げるどころか歩くことすら困難だ。
こんな状態では、この男から逃れることは不可能に決まっている。

助けも期待はできないだろう。
この男の言葉から推測すると、ミアはあの後、この男とは出会っていないらしい。
ならば、ミアが初香を見つけ出し、怪我をした初香を連れてここまで戻ってくるのには
それなりに時間がかかるはずだ。
気絶してからそれほど時間が経ったとも思えないし、借りにミアがこの場に戻ってきた
としても、自分が人質に取られれば、ミアはこの男に手出しができなくなってしまう。

(……なら……戦うしかないわ……!)

魔力はまだ残っている。
相手の油断を誘い、隙を突いて魔法を叩き込むしかない。

だが、問題はある。
この男も魔法を使う以上、魔術師の怖さは知っているはず。
いくら満身創痍とはいえ、魔術師である自分を警戒していないはずがない。
そう易々と隙を見せるとは思えなかった。

だが、そんなクリスの考えとは裏腹に、ダージュはあっさりとクリスに背を向け、
独り言を呟き始めた。

「さて、どうするかね……コイツを人質に取れば、ナビィって女も、
 ガキどもを探しに行ったもう一人の女もあっさり殺せるかもしれねぇが……。
 だが、あの変態の仲間を殺したあのメイド……ヤツが厄介だな……。
 あんな遠距離からでも、あのボウガンみたいな武器が有効な以上、
 よほど気をつけなければ……」

ぶつぶつと呟いているダージュを、クリスは唖然として見つめていた。
だが、今がチャンスだということに気がつく。

どうやら、相手は完全に油断しているようだ。
なぜだが知らないが、相手は自分の反撃を全く考慮に入れていないらしい。
迂闊といえば、あまりにも迂闊な対応だった。

(……その油断が、命取りよ!)

クリスは相手に聞こえないように小声で呪文を唱え、右手に魔力を集中させる。

腕が折れている以上、まともな狙いはつけられないが、
少なくとも、相手に命中させることはできるはず。

完全に油断している今の状態なら、上手くやれば気絶させることもできるかもしれない。

「……はあぁぁぁっ!!」
「何っ!!?」

クリスが魔力を解き放つと同時に、ダージュは驚愕の声を上げて振り向く。
だが、もう遅い。
魔法は発動し、ダージュは成すすべもなく魔法を受けて倒れる。

……はずだった。

「……なっ……?」

だが、実際にはクリスの魔法は発動することなく、右手に溜めた魔力は霧散していった。

「……な……なんで……?」
「……なーんてなぁ?」

呆然とするクリスに対して、先ほど驚愕の表情を浮かべていたダージュは一転して、
嫌らしい笑みを浮かべながら、クリスを見下ろしていた。

「おいおい、俺が魔術師であるお前に対して何の対策もしてないとでも思ったのか?」

ダージュはそう言って、懐から五芒星の描かれた黒い護符を取り出す。

「……それは……!?」
「そう、元々のお前らの支給品さ。
 魔法を封じる護符……便利なもんだよなぁ?」

ダージュの笑みに、クリスは悔しそうに歯噛みする。

魔封じの呪印。
相手の魔法を封じることのできる護符。

クリスは研究所でこの護符について調べた結果、魔術師の魔法を封じる効果を
持つ道具だということを知ることができた。
だが、その効果を知りながらもクリスはそれを実戦で使うことを諦めていたのだ。

なぜなら……この魔封じの呪印、極端に有効範囲が狭いのだ。

まず、魔法を封じる場合……相手に接近する必要がある。
それも、相手のほとんどすぐそば……2メートルくらいまで護符を
近づける必要があるのだ。
大抵の場合、遠距離攻撃が得意な魔術師相手にそこまで近づく必要があるという時点で、
この道具は致命的な欠陥を備えていた。
しかも、もし相手が武器もしくは格闘技能を備えた魔術師だった場合、
護符を掲げて魔法を封印した瞬間、こちら側が逆に無防備になる。
そのときに反撃を受けて致命傷を負ってしまっては、魔法を封じた意味が無い。

さらに、例え魔法を封じることができたとしても、その後も問題があった。

なぜなら……魔封じの効果は、10メートルも護符から離れてしまえば
解除されてしまうのだ。

つまり、もし魔法を封じたとしても、逃げの手を打たれればおしまいなのだ。

はっきり言って、使いにくいことこの上ない代物だった。
魔封じの呪印は、ダージュの言うように決して便利な物ではないのだ。
その効力を発揮する場面は、かなり限られたものとなるだろう。

……例えば、捕らえた魔術師の反撃を防ぐために魔法を封じておく、など。

「……さて……不意打ちなんて舐めたマネしてくれたアンタにはオシオキが
 必要だなぁ?」
「……くっ……!」

ダージュが酷薄な笑みを浮かべながら、クリスへと迫る。
クリスは身を捩って何とか逃れようとするが、ダージュはそれを許さない。

「おらぁっ!!」

ベキィッ!!

「ああぁぁっ!!?」

ダージュに側頭部を蹴り飛ばされ、クリスは倒れる。
元々、頭部にダメージを負っていたクリスは一瞬意識が飛んでしまう。

「そらよっ!!」

ボキィィッ!!

「!?……がああぁぁぁっ!!?」

だが、次の瞬間には新たな激痛によって、クリスの意識は無理やり覚醒させられる。

ダージュが倒れたクリスの腹を思い切り蹴りつけたのだ。

「お?こりゃ、アバラが何本かイッちまったか?ははっ!」
「あ……ぐぅ……!あぁぁぁっ……!」

次々と加えられる新たな激痛に、クリスは何とか耐えようとする。
だが、剣士であるアーシャやエリーシアと違い、クリスは魔術師である。
生傷の絶えない彼女たちと比べれば、クリスは痛みというものに慣れていない。

あまりの激痛に、クリスは自分の心が折れかけていることを自覚する。

(駄目……!弱気になっては……!
 何とか、この状況を脱出する方法を考えないと……!)

だが、必死に自分を鼓舞しようとするクリスをあざ笑うように、
ダージュはクリスを痛めつける。

「おらぁっ!!」

ベキィッ!!

「がっ……はっ……!」
「うらっ!!」

バキィッ!!

「あ……がぁ……!」
「ははっ!おら、どうした!?」

グシャッ!!

「ひ……う……あぁ……」
「何だよ、オイ?元気が無くなってきたぞ?
 もっと良い声で鳴けよ!?」

ゴシャッ!!ベキッ!!ボキィィッ!!

「ぎぃぃあああぁぁぁぁぁっっ!!?」
「よしよし、いいぞ!その調子だ!
 あの女が帰ってくるまで、しっかりと楽しませてくれよ!?」

男の哄笑と女の悲痛な絶叫、人体を殴りつける鈍い音と枝を折るような乾いた音が
雪の積もる森の中に響き続けるが、その音を聞く者は当事者たち以外は誰もいなかった。


 

「はああぁぁぁっ!!」

バシュッ!!

伸びてきた何本もの触手をミアはブロードソードで切り捨てる。

不意こそ突かれたミアだったが、その傷は浅かった。
直前に攻撃とは逆の方向に飛んでいたおかげで、ダメージを最小限に
抑えることができたのだ。

そして、お返しとばかりにミアはスライムに向けて、攻撃に出た。
次々と伸ばされる触手を切り飛ばし、スライムへと肉薄する。

狙うは、スライムの持つ巨大な目玉。
ミアは苦し紛れに伸ばされた触手を掻い潜り、スライムの目玉に
ブロードソードを思い切り突き立てた。

スライムはビクンと一瞬身体を震わせ、苦しそうに身体をぶよぶよと揺らす。

(……効いている……!)

手ごたえを感じたミアはそのまま剣を捻り、スライムの傷口を拡げようとする。
だが、側面から加えられた衝撃に吹っ飛ばされる。

「きゃあぁぁぁっ!?」

悲鳴を上げて、地面を転がるミア。
受身を取り、慌てて体勢を立て直す。

見ると、スライムは触手を使って、自分の目玉からブロードソードを引き抜き、
ミアの手の届かないところに投げ捨てていた。

どうやら、スライムがミアに気取られないように背後から伸ばした触手に、
叩きつけられたようだ。

(くっ……!勝負を焦りすぎたみたい……!)

初香やクリス、殺人者の男二人のこともあり、
ミアは勝負を焦っていた。

そのことが油断へと繋がり、スライムをあそこまで追い詰めながらも
無様に反撃を食らうという失態を犯してしまった。

だが、後悔しても遅い。
スライムに対して一番有効と思われるブロードソードが手の届かない位置へと
投げ捨てられてしまった以上、他の武器で戦うしかない。

マジックロッドは駄目だ。
打撃武器がスライムに効くとは思えないし、まだ変身できるほど魔力は
回復していない。

だとすれば、リーチに不安があるが、スペツナズ・ナイフを使うしかない。
懐からスペツナズ・ナイフを取り出し、ミアは構える。

(……いざとなったら、魔法を使うしかないわね……)

できることなら魔力は温存しておきたいが、現状を考えるとそうもいかないだろう。
ミアは自分へと迫りくるスライムを睨み付けながら、そう考えていた。

そのとき……。

何者かが、こちらへと走ってくる音が聞こえた。
ミアが驚いてそちらを振り向くと、それは小さな少女のようだった。

(!?……まさか、初香ちゃん……!?)

ミアはそう思ったが、近づくにつれて姿がはっきりしてきたその姿は、
初香のものではなかった。

「ひっ……はっ……!はぁっ……はぁっ……ひぃっ……!」

ピンクの帽子に白いワイシャツ、黒のサスペンダースカートを着た幼い少女の姿。
顔を死の恐怖に歪ませ、錯乱したその少女は……。

魔王軍三将軍の一人、八蜘蛛だった。

「……ひっ……!?」

八蜘蛛はミアとスライムを見ると、引きつった声を漏らし、足を止める。
今の八蜘蛛は死の恐怖に囚われ、冷静な判断ができていなかった。

八蜘蛛は目の前の少女とモンスターが自分を殺しに来たのだと勘違いし、
攻撃を繰り出した。

「ああああぁぁぁぁっっ!!」

背中のキャノンから発射される糸。

「なっ……!?」

ミアはその糸に絡め取られ、地面に貼り付けられて膝を突く。
見ると、スライムのほうもミアと同じように糸に絡め取られ、身動きができずに
蠢いている。

八蜘蛛はそれを見て取ると、少しだけ余裕を取り戻したのか、
荒い息を吐きながらも周囲を見渡す。
そして、スライムの後方にブロードソードを見つけると、走り寄って
それを拾い上げる。

そして、血走った目でスライムを睨み付け、

「うああらぁあぁぁぁぁっっ!!」

ブロードソードを突き刺した。

スライムの中心部。

弱点となるコアに向けて。

スライムの身体がビクンと跳ね、その身体が萎むかのように急速に弾力を失い、
凹んでいく。
だが、八蜘蛛はそんなことにも気がつかず、狂ったようにスライムを滅多刺しにする。

「死ねっ!!死ねっ!!死ねっ!!死ねっ!!死ねえぇぇぇぇっ!!」

八蜘蛛は喉が枯れるかと思うほど、大声で絶叫しながらスライムを刺し続ける。

それを呆然と見つめるミア。
幼い少女にしか見えない八蜘蛛の凶行をミアは信じられない思いで眺めていた。

(……あんな、小さな子まで……こんな……!)

ミアは凄惨な光景を見つめながら、思う。

この殺し合いは、こんな幼い少女までをも狂気に染めてしまうのか。
あんなおぞましいほどの狂気に。

やがて、スライムを殺した八蜘蛛はギョロリとミアに視線を向ける。

その視線に、ミアは恐怖で凍りつく。

なぜなら、その顔は正しく魔物と呼ぶに相応しい、禍々しさに満ちた
狂相だったから。

ブロードソードを片手に、八蜘蛛はミアへと近づいてくる。
その口はぶつぶつと言葉を呟いていた。

「私は……死んでない……!私は……八蜘蛛……!
 私は……魔王軍三将軍……!私は……死んでない……!
 私は……生きている……!私は……死なない……!
 こんなところでは……絶対……死なない……!」

その言葉を聞いたミアは、やはりこの少女は錯乱していると確信したが、
少女の言葉の中のキーワードに疑問を覚えた。

「……魔王……三将軍……?貴女……人間じゃ、ないの……?」

その問いに、八蜘蛛はミアへと剣を振りかぶって答える。

「私は貴様ら人間などとは違う!!私は誇り高き魔王軍三将軍が一人、八蜘蛛!!
 こんなところで死ぬ存在ではない!!」

八蜘蛛は血走った目で口から泡を吹きながら続ける。

「貴様らクズは死ね!!一人残らず死んでしまえ!!
 私を生かすために死ね!!元々、人間など我ら魔族の糧となる存在なのだ!!
 ここで私の糧となり、死ぬのが貴様らクズの定めなのだ!!」

その言葉に、ミアは理解する。

この少女は……この魔物は、敵だと。

「……そう。なら、私は貴女を倒さないといけない」

ミアの言葉に、八蜘蛛の動きが止まる。
だが、すぐに嘲笑を浮かべる。

「私の糸に絡められた状態で何ができるというのよ、人間!!?
 戯言をほざいてないで、いさぎよく死になさい!!」

そして、八蜘蛛はブロードソードをミアに向けて振り下ろす。


ドスッ。


「……あ?」

……はずだった。

だが、八蜘蛛の胸に生えたナイフの刀身が八蜘蛛の動きを止めた。

「……こ……れ……?……え……?」
「……私は死ぬわけにはいかないわ。
 私は……私たちはこの殺し合いを止めなければいけないの。
 まゆこちゃん、なぞちゃん、明空、美奈ちゃん……すでに死んでしまった
 人たちのためにも、私たち生きている人間は前に進まなきゃいけないの!」

ミアは刀身を失ったスペツナズ・ナイフの柄を八蜘蛛に向けながら、
決意の言葉を口にする。

だが、その言葉は八蜘蛛の耳には届かない。
ただ彼女は己に起こった出来事が信じられず、自分の胸に刺さったナイフを
見つめながら、頭を振るう。

「……い……や……そん、な…………この私が……。
 八蜘蛛、様が……こんな、ところで…………」

カラン……、と八蜘蛛の手からブロードソードが落ちる。
そして、恐怖と絶望に顔を歪ませて八蜘蛛は倒れた。

ピクリとも動かなくなった八蜘蛛をしばし睨んでいたミアだが、
どうやら八蜘蛛が死亡したようだと判断し、ふぅと息を吐いて緊張を解く。

危ないところだった。
もし、ミアが八蜘蛛を魔物だと見抜くことができなければ、
ミアは八蜘蛛を殺し合いに巻き込まれたせいで狂気に染まった少女だと
勘違いしたままだっただろう。

そんな哀れな少女を、ミアが殺すことなどできるわけがない。
もし八蜘蛛が本当に殺し合いのせいで狂ってしまっただけの少女だったなら、
ミアは八蜘蛛を殺すことができず、そのまま殺されていたに違いない。

しかし、八蜘蛛を倒したからといって、もたもたしている時間はなかった。
早く八蜘蛛の糸の束縛を解かねば、いずれここは禁止エリアになり、
ミアは爆死してしまう。

「くっ……!このっ……!」

だが、八蜘蛛の糸はミアに絡みつき、ほとんど身動きが取れない。

スペツナズ・ナイフの刀身は飛ばしてしまったし、ブロードソードは
手の届く位置には無い。
何とかもがいて糸の束縛から逃れようとするが、強靭な蜘蛛の糸の前では、
ミアのもがきなど何の意味もなさなかった。

「……くっ……うぅっ……!私は……こんなところで死ぬわけには……!」

自分が死んでは、誰が初香を助けるのだ。

クリスと約束したのだ。

初香を助けると。すぐに帰ってくると。

「ぐっ……!あああぁぁぁぁっっ!!」

雪が降り続ける中、ミアは必死でもがく。
だが、無情にも八蜘蛛の糸はミアを逃さない。

それはあたかも八蜘蛛の呪いであるかのように、ミアを呪縛し続けるのだった。




【スライム@一日巫女 死亡】
【八蜘蛛@創作少女  死亡】
【残り12名】


【A−4:X2Y4/国立魔法研究所前の街道/1日目:夜】

【ミア@マジックロッド】
[状態]:八蜘蛛の糸に身体を絡め取られて行動不能、
    焦燥、魔力残量(小)、疲労(大)
[装備]:マジックロッド@マジックロッド
    スペツナズ・ナイフ(柄のみ)@現実
    四葉のクローバー@現実世界(頭に装備)
[道具]:なし
[基本]:対主催、できれば誰も殺したくない
[思考・状況]
1.八蜘蛛の糸から抜け出す
2.初香を探す
3.できるだけ早くクリスの元へ戻る
4.バトルロワイヤルを止めさせる方法を探す

※A−4エリアが禁止エリアになる前に八蜘蛛の糸から抜け出せなかった場合、爆死します。
※東支部で襲ってきたモヒカンが今回遭遇したモヒカンと同一人物だとは認識していません。
※オーガの持っていた肉が人肉だと気づいていません。
※参加者がそれぞれ別の世界から集められていることに気付きました。



【スライム@一日巫女】
[状態]:死亡
[装備]:なし(出来ない)
[道具]:なし(持てない)



【八蜘蛛@創作少女】
[状態]:死亡、胸にスペツナズ・ナイフの刀身が刺さっている
[装備]:ブロードソード@アストラガロマンシー
[道具]:デイパック、支給品一式×3(食料14、水14)
    弾丸x1@現実世界(拳銃系アイテムに装填可能、内1発は不発弾)
    モヒカンハンマー@リョナラークエスト
    メイド3点セット@○○少女
    バッハの肖像画@Lafinediabisso
    チョコレート@SILENTDESIREシリーズ

※ロカ・ルカ@ボーパルラビットは昏い街に置いたままです




 

ダージュの拷問のような暴力を1時間以上浴び続けたクリスはぼろぼろになっていた。
身体のあちこちが紫色に変色し、両手の爪は全て剥がされ、指も全てへし折られ、
目を覆うような有様だった。

「……ぁ……ぅ……」

呻くクリス。

「ふん……」

鼻を鳴らし、ダージュがクリスの前に屈みこむ。

「……っ!」

クリスはびくっと身体を震わせ、ダージュに怯えた目を向ける。
それに、ダージュはにやにやと笑みを浮かべながらクリスに告げる。

「安心しな。オシオキは終わりだ。
 まぁ、これで分かっただろ?俺に逆らっても痛い思いをするだけだってな。
 分かったら、下らないことは考えずに俺についてくるんだな」
「…………!」

クリスは表情に怯えを見せながらも、涙目できっとダージュを睨みつける。
それに、ダージュは面白くなさそうな顔をする。

「ちっ……まだ分からねぇのかよ?
 まぁいいさ、どうせあの女が帰ってくるまでの暇つぶしみたいなもんだったんだからな。
 しかし、これだけ待っても戻ってこないとなると、そっちは諦めるしかねぇな……」

ダージュは呟き、クリスの髪を引っ掴み、無理やり立たせる。
悲鳴を上げるクリスを無視して、ダージュはクリスを後ろに向かせて、
背中に槍を突きつける。

「ほら、歩けよ。
 お前のお仲間のナビィって女とメイド女のところへ
 連れてってやるからよ」
「…………くっ……うぅ…………!」

クリスは泣いていた。
それは、悔しさゆえの涙だった。
自分が仲間たちに対して人質に使われると分かっていても、
首輪解除の鍵を握る自分はここで死ぬわけにはいかないのだ。

クリスがここで死ぬことは、全ての希望が絶たれることを意味するのだから。

(アーシャ……エリー……ごめん……!
 貴女たちが死んでしまったのに……私は……!)

自分の不甲斐なさに、クリスは涙を流すしかなかった。




【A−3:X3Y4/森/1日目:夜】

【ダージュ@リョナマナ】
[状態]:疲労(小)、魔力消費(大)
[装備]:トルネード@創作少女
    デコイシールド@創作少女
[道具]:デイパック、支給品一式×5(食料21食分、水21食分)
    宝冠「フォクテイ」@創作少女
    火薬鉄砲@現実世界
   (本物そっくりの発射音が鳴り火薬の臭いがするオモチャのリボルバー【残り6発】)
    エリクシル@デモノフォビア
    赤い薬×3@デモノフォビア
    魔封じの呪印@リョナラークエスト
    髪飾り@DEMONOPHOBIA
    涼子のナイフ@BlankBlood
    エリクシル@SilentDesire
    火炎放射器(残燃料100%)@えびげん
    モップ@Lafinediabisso
    白い三角巾@現実世界
    雑巾@Lafinediabisso
    木彫りのクマ@現実世界(一般的なサイズのもの)
    人肉(2食分)@リョナラークエスト
    新鮮な人肉(当分は無くならない程度の量)
    クラシックギター@Lafinediabisso(吟遊詩人が持ってそうな古い木製ギター)
    ノートパソコン&充電用コンセント
   (電池残量3時間分程度、OSはWin2kっぽい物)@現実世界
    AM500@怪盗少女(残弾0発)
    ミアたちが筆談に使っていたメモ用紙(支給品の一部)
[基本]リョナラー、オルナの関係者を殺す
[思考・状況]
1.モヒカンを利用して、ナビィに手傷を負わせる
2.クリスを人質にして、クリスの仲間を殺す
2.ナビィを弄り殺す
3.オルナの関係者を殺す(誰が関係者か分からないので皆殺し)



【クリステル・ジーメンス@SILENTDESIRE】
[状態]:魔封じ状態、
    両腕骨折、両手の指を全て骨折、
    両手の指の爪が全て剥がされている、
    全身に打撲と擦過傷(身体のあちこちが紫色に変色している)
    胸骨骨折、肋骨3本骨折、血まみれ、魔力残量(中)、疲労(特大)、
    精神疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:なし
[基本]:対主催
[思考・状況]
1.ひとまずはダージュに従う
2.怪我の治療
3.首輪を外す方法を考える(魔術トラップの解除法は会得済み)
4.首輪を解除するまでは絶対に死なない

※参加者がそれぞれ別の世界から集められていることに気付きました。
※銃の使い方を教わりました。
※頭を何度も殴られましたが、命にかかわるほどではありません。





一方、商店街の薬局前……。

運良く薬局を見つけ、その中で包帯を手に入れたナビィはえびげんに応急処置を施した。
未だ意識を取り戻さないえびげんを心配そうに見やりながら、ナビィは考える。

(クリスたちは心配だけど……怪我をしたえびげんさんを置いていくことは
 できないし……私、どうすれば……)

えびげんを背負って研究所のほうへ戻ることも考えたが、外は雪が降っている。
怪我を負って意識の無いえびげんの身体を冷やすのはまずいだろう。

(せめて、えびげんさんが目を覚ましてくれれば……)

悩むナビィ。
そこで、ふとナビィの耳がぴくっと動く。

「……この声は……?」

ナビィの耳が捉えたのは誰かの声だった。

いや……声というより、それは雄叫びだった。
それはナビィたちのいる場所に向かって、どんどん近づいてきた。

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉっっ!!」

近づいてくる雄叫びにナビィはぎょっとして、声の聞こえてくる方向に振り向く。


ガッシャアアァァァァァン!!!


と、同時に薬局のガラスをぶち破り、赤パンツ一丁の巨漢の変態がナビィの目の前に現れた。

「ようやく見つけたぜぇぇぇ……!!
 会いたかったぜぇ、メイド女ぁぁぁ……!!」

胸筋をぴくぴくさせながら仁王立ちしたモヒカンは、股間をいきり立たせながら
獰猛な笑みを浮かべる。

ナビィは呆気に取られた表情を浮かべるしかなかった。

だが、ようやく我に返り、この場でもっともふさわしいリアクションを取る。

「……へ……」

ナビィは真っ赤になって、顔を引きつらせる。

「変態だあぁぁぁぁーーーーーーーっっ!!?」

ナビィは涙目で叫び、えびげんを背負うと全速力でその場を逃げ出した。

それを見たモヒカンは当然ナビィを追いかける。

「待ちやがれえぇぇぇぇーーーーーっっ!!!」
「いやあぁぁぁぁーーーーーっ!!?
 来ないで来ないでぇぇぇぇーーーーっ!!
 誰か助けてえぇぇぇぇーーーーーっ!!」

瞳に涙を滲ませながら、死に物狂いで必死に逃げるナビィ。

「うひははははははぁぁぁーーーーっ!!!」

逃がすものかと笑いながら追いかけるモヒカン。

雪の降る中、ナビィとモヒカンの追いかけっこが始まったのだった。




【A−2:X3Y2/商店街(薬局前の道路)/1日目:夜】

【ナビィ@リョナマナ】
[状態]:健康、混乱
[装備]:カッパの皿@ボーパルラビット
    スペツナズ・ナイフx1@現実
[道具]:デイパック、支給品一式×4(食料のみ28食分)
    エリーシアの剣@SILENTDESIREシリーズ(真っ二つに折れている)
    防犯用カラーボール(赤)x1@現実世界
    ライトノベル@一日巫女
    怪しい本@怪盗少女
    カザネの髪留め@まじはーど
    銘酒「千夜一夜」@○○少女、
    眼力拡大目薬×3@リョナラークエスト
    油性マジック『ドルバッキー(黒)』@現実世界(新品、ペン先は太い)
    運命の首飾り@アストラガロマンシー
[基本]:対主催
[思考・状況]
1.えびげんは死なせない
2.クリス、ミア、初香を探す
3.キング・リョーナの行いをやめさせる
4.変態(モヒカン)から逃げる

※モヒカンと涼子を危険人物と判断しました。
※参加者がそれぞれ別の世界から集められていることに気付きました。
※第2回放送を聞きましたが、死亡者にショックを受けて禁止エリアは頭に入っていないかもしれません。



【えびげん@えびげん】
[状態]:気絶、腹部に刺し傷(包帯で応急処置済み、命には別状無し)
[装備]:ショットガン(残弾数3+11)@なよりよ
    スペツナズ・ナイフx1@現実(腹に刺さってる)
    メイド服@えびげん
[道具]:デイパック、支給品一式
    パンダのきぐるみ@現実世界
    豹柄ワンピース@現実世界
    ウェディングドレス(黒)@現実世界
    ビキニアーマー@現実世界(コスプレ用のため防御力皆無)
    コードレスアフロセットマシン@バトロワ(後3回使用可能、アフロ化と元の髪型に戻すことができる)
    コードレスアフロセットマシン専用充電器@バトロワ(使用には家庭用100V電源が必要、コード長1m)
    油性マジック『ドルバッキー(黒)』@バトロワ(おろしたて、ペン先極太)
[基本]:ハデ夫をぶちのめしたい
[思考・状況]
1.気絶中

※モヒカンと涼子を危険人物と判断しました。
※参加者がそれぞれ別の世界から集められていることに気付きました。
※第2回放送を聞いていません。



【モヒカン@リョナラークエスト】
[状態]:顔面に落書き、おでこにたんこぶ、生傷多数
[装備]:ツルハシ@○○少女
[道具]:手製棍棒×5
    ≪以下、ディレイ・スペル付与支給品≫
    ○デイパック、支給品一式
    ○包丁@バトロワ
    ○ライター@バトロワ
    ○マタタビの匂い袋(鈴付き)@現実世界
    ○スペツナズ・ナイフx2@現実
    ○三八式歩兵銃+スコープ(残弾1発、肩掛け用のベルト付き)@現実世界
[基本]:女見つけて痛めつけて犯る
[思考・状況]
1.女を見つけたらヒャッハー
2.商店街へ向かう(途中でミアたちを見つけたら殺す)
3.初香、えびげん、ミア、美奈、クリスを殺す
4.ナビィとメイド女(えびげん)を追う

※東支部でのオーガ達との戦闘中の記憶が殆どありません
※これまでに受けた傷はダージュの魔法でかさぶた程度まで回復しました。





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