よお、俺だ、強姦男だ。”ゴウカン オトコ”じゃねえぞ。”ゴウ カンオ”だ。
何、”ゴウ カンオ”って打ったら”強姦の”になったって? そんな時には辞書登録しろよ。
殺し合いがどうとか言ってたが、はっきり言ってガラじゃねえ。
「殺る前に犯る、犯らんなら殺らん。」これが俺のポリシーだ。
いい女が揃ってたからな、好きなように犯らせてもらうぜ!
とか言ってる間に獲物発見。相手はこっちに気づいてねえ。
見た目は中々上玉だ。薄幸そうな表情がそそられる。
歳は14か15ってとこか。まあ俺が何と言おうが登場人物は20歳以上だがな。
頭に着けた、デカいリボンが目につく。いつも思うんだが、ああいうのは邪魔じゃないんだろうか。
服は緑のセーラー服、だか何だか分からん妙な服。俺の地元じゃ見ない感じだな。
胸はあんまり無さそうだ。だが希少価値というほどでもない。普通だ。
下半身は、タイツの上に超ミニスカだろうか。マニア受けしそうな格好だ。
と、俺とした事が見入ってしまった。このままじゃ向こうからも丸見えだ。
素早く岩陰に隠れる俺。と言っても大きさ的に、体全部は隠せない。
そもそもここは道の真ん中だ。隠れる場所なんてほとんど無い。
だが、奴はしばらく気付かんだろう。さっきからデイパックの中身を探ってるからな。
道の真ん中でやるなんて無防備もいいとこだが、そんな所がまた萌える。
もう少し観察しようかと思ったが、あまり時間をかけると他の奴が来るかもしれねえ。
さあ、そろそろ仕掛けるか。ポケットの中に手を突っ込み、その中身を確認する。
入っているのは拳銃だ。安全装置も解除したぜ。
これさえあれば、この前みたいに返り討ちに会う事はない。
なんたってヤバいと思ったら引き金を引くだけなんだからな。
ん、この前っていつの事だ?・・・まあいいか。
俺は拳銃に手をかけたまま、隠れていた岩陰を飛び出した。
「やあ、お嬢ちゃん。」
優しい声と笑顔で声をかける。
何、襲い掛からないのか、だと!?
んな事したら走って逃げちまうだろ。
「え・・・きゃあっ!」
奴が俺の姿を見て、小さく悲鳴を上げる。
殺し合いなんて言われた上に、突然目の前に男が現れたんだ。驚くのも無理はない。
だが、これ以上悲鳴を上げられたら誰かに気付かれるかもしれん。
上手く警戒を解く必要がある。プロの腕の見せ所だ。
「ああ、驚かせてごめんね。僕は怪しいものじゃないよ。」
一旦立ち止まって、さらに優しく言葉をかける。
さっきの路上でデイパックを漁る行為を見る限り、奴はあんまり頭が良くない。
善良な市民を装っていれば、不審を抱かれることは無いはずだ。
「(人を見た目で判断しちゃだめだよね・・・)お、驚いちゃってごめんなさい。」
ほら、言った通りだろ。何か心の声が聞こえた気もするが気のせいだ。
白いマスクと黒い帽子。この格好のどこが悪い?
それはともかく、今の一言で警戒が緩和されたと判断した俺は、奴との距離を縮める。
もちろん拳銃を使って脅せば、もっと簡単に近付けるが、
拳銃を突き付けられた瞬間の怯えた顔は、出来るだけ近くで見たいからな。
普段は銃刀法のせいでそんな事できないから、尚更だ。
「いやいや、そんな事より君も、殺し合いに巻き込まれたんだよね。」
あえて殺し合いと言って、揺さぶってみる。
すると案の定、奴はその言葉に反応を見せた。
「う・・・うん・・・」
そう言って奴は目を伏せる。それにしても悲しい表情が似合うな。物凄くそそられる。
なんて事を考えながらも、俺はその隙を逃さず、腕一本の距離まで接近した。そして・・・
カチャッ
「じゃあ、これがどういう意味か、分かるな?」
そう言って奴の額に、右ポケットから取り出した拳銃を突き付けた。
「・・・あ、あの、何ですか、これ・・・?」
何・・・だと・・・
まさかこのご時世に拳銃を知らない無垢な少女が存在するとは・・・
これはもしかすると天然記念物級なんじゃないか?
だが残念なのは、怯えた表情をしてくれなかった事だ。
「ははは、知らなかったか。それじゃお嬢ちゃん、手を出してくれるかな。」
無垢な少女を汚すのは俺の得意分野だ。色んな意味で。
俺は奴の身体に銃の恐ろしさを教えてやる事にした。
何の疑いもなく差し出された、柔らかくて小さな手のひらに、冷たい銃口を突き付ける。
奴はこれから起こる事を想像すらしてないらしく、飴玉をもらう子供のような期待の眼差しで、拳銃を見つめている。
そして俺は、引き金を、引いた。
ズドン
弾丸が奴の手のひらに風穴を開ける。
その事実に奴が気付くまで、1秒とかからなかった。
「あああああああああああ!!!!!」
穴の開いた右手を押さえてのたうちまわる。さっきまでとのギャップが素晴らしい。
すぐに脅して犯るのも良いが、折角だからもう少し見ておこう。
手に穴が開いて泣き叫ぶ女なんて、そう見れるもんじゃないからな。
「うぐ・・・くぅっ・・・」
すると奴は、反抗的な目で俺を睨み付けてきた。こんな表情もできるのか。
というか意外と立ち直りが早かったな。少し残念だ。
だがどれだけ反抗しようとしても、こっちは拳銃を持っている。はっきり言って無駄な足掻きだ。
とはいえ、そういうのも某所ではお楽しみ要素の一つらしいからな。
ここは黙って、何をするのか観察することにする。
「(焦っちゃだめだ・・・ゆっくり落ち着いて・・・)」
何やら精神を集中させて、印を結んでいるようだ。お祓いだろうか。
まあ幽霊でも何でもない俺には効かんだろうがな。
というか実はこいつ、巫女か何かか?
それならあの奇妙な服も納得できる。しかも重要な萌え要素でもある。
・・・と、そんな事を考えていると、奴の術が完成したようだ。
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