【魔法について】
この世界において、魔法は一般人にも使用可能で、
戦闘用だけでなくあらゆる分野で用いられている。
むしろ現実世界での機械のように、無いと困るレベル。
とはいえ一般人が使うのは、作業の補助や移動のための身体強化魔法であり、
実戦的な攻撃魔法を扱える人間は限られる。
現実世界における念力のようなものであり、
詠唱を必要としないので声が出せない状態でも問題ないが、
魔法の威力に応じたチャージ時間は必要である。
ある程度以上の能力を持つ術師には、S、A、B、Cのランクが与えられ、
Cランクで1000人に1人、Bランクで1万人、Aランクで10万人に1人と言われる。
Sランクは能力の高さに加え、実績または天賦の才能が認められた者のみ。
【女性と男性】
この世界では、男性の地位は極めて低い。
なぜならば、男性には魔法が使えないからだ。
ほとんどの職業において、既に魔法は必要不可欠のものになっており、
また男性蔑視の風潮もあり、男性の社会進出は極めて困難である。
肉体労働ならば男性三人よりも女性一人の方が多くの作業をこなし、
営業職なら男性が出てきた時点で相手の心象が悪くなる。
政治家を志した者は表舞台に立つことなく闇に葬られ、
教師になった者は生徒からのいじめで登校拒否になった。
結局男性にできる事といえば、裏方の簡単な事務作業程度に限られる。
そのため、屋外で男性の姿を見る機会は少ない。
とはいえ、頭脳労働では女性との差は無く、
研究職などで非常に高い成果を上げ、評価されている男性もいる。
【帝国】
数百年前に建国され、数度の反乱やクーデターが発生したものの、
現在まで初代皇帝の血縁者が代々統治している。
周辺諸国とは、領土問題や貿易摩擦で未だ小競り合いを続けているが、
大規模な戦争は数十年の間起こっていない。
【軍事】
正規軍は、犠牲者を減らすため少数精鋭を基本とし、
入隊条件の一つとしてBランク以上の術師(1万人に1人)であることが求められている。
近衛軍団と第一〜第四軍団に分かれており、近衛軍団は皇帝直属の部隊で、
第一〜第四軍団はそれぞれ軍団長が率いている。
訓練も出動も、軍団長の指揮によって軍団単位で行うことが多く、
複数の軍団が共闘するのは周辺諸国と戦争になった時のみである。
【政治】
全ての権限を皇帝が持っているが、慣習的に皇帝自身は政治にはあまり関わらず、
貴族や軍の意見を踏まえて皇帝が選任する、数名の執政官が専ら政治を行う。
執政官は貴族階級や軍の出身者がほとんどであり、ともすれば不正の温床になりかねないが、
発覚すると皇帝に文字通り斬り捨てられるので、ほとんど問題は起こっていない。