じじいが往く!!

 

「ハァーーーーーハッハッハァァァーーーー!!」

レボワーカーを操り、野を駆るゴート。

自分では到底叶うことの無い、疾走感。
その素晴らしさ、快感にゴートは酔っていた。

「クハハハハ、何と素晴らしいものかのう!!
 このレボワーカーなるものは!!」

ゴートは自身の手に入れた、異世界の力に興奮していた。


まさに、じじいハイテンションである。


森を抜けた後、さらに平原を南に駆け抜け、再び森の中へと突き進む。
ゴートが最初に目指したのは、リザードマンの村。

ゴートは禁止エリア以外の施設全てを回るつもりだった。
身一つのゴートならそんなことは考えなかっただろうが、今のゴートには
馬よりも優れた『足』がある。

ならば、出遅れた時間を取り戻すためにも情報を集めることに積極的になるべきだと
ゴートは考えたのだ。

「……む?」

やがて、ゴートの目の前にリザードマンの村が見えてきた。

「ふむ、あれか……」

ゴートはさっそくリザードマンの村に侵入した。
参加者が村の中にいないか、警戒しながらもレボワーカーを歩かせる。

「……参加者が潜んでおる気配は感じられんが……むむぅ!?」

ゴートは村の広場のほうを見て、驚きの声を上げる。

なぜなら、広場には半径15メートルほどの円状の焼け跡が存在したからだ。

「何じゃ、これは?十中八九、魔法によるものだろうが……。
 だが、一体何のために……?」

ゴートはこの焼け跡の意味について考え込む。
そして、一つの仮説を思いついた。

それは、この円状の焼け跡を作ったのは同じロアニーであるリネルの仕業ではないかと
いうものだった。
彼女なら、対峙した参加者を逃がさないために炎で参加者と自分の周りを囲み、参加者が
逃げられないようにした上で、その参加者を嬲り殺しにすることもあり得ないことではない。

「ふん……ヤツもえげつないことをしよるわ……」

ゴートはここで行われたのであろう仲間の残虐な行為を思い、クククッと笑う。


的外れじじい、絶好調である。


その後、村の探索を行ったゴートだが、得られたものは無かった。

「くそっ!無駄な時間を取ったわ!」

探索が時間の浪費にしかならなかったことに憤慨するゴート。
もうこんなところに用は無いと、ゴートは失望とともに村を出た。

「……ふむ、次はどこに行くべきかのう?」

ゴートは地図を見ながら、次の目的地を決めかねていた。

禁止エリアを考慮に入れたうえでは昏い街か螺旋の塔が目的地の候補としては打倒であろう。
どちらにするかで他の施設の回り方も変わってくるだろうし、ここは慎重に考えて決めるべきだと
ゴートは思った。

「……まあ、どちらも東側にあることだし、東へと進みながら考えても問題あるまい」

そう考えたゴートはレボワーカーを操り、東へ向かいながらどちらを目的地とするかを
決めることにした。

東へと進むうちに、ぽつぽつと雨が降り始めたことにゴートは気がつく。

「……む?雨か……そう言えば、放送でそのようなことを言っておったな……」

だが、レボワーカーに乗ったゴートには雨に濡れて体力が奪われる心配も無く、
雨が止むまで探索を中断する必要も無い。

つくづく良い物を手に入れたものだと、ゴートは自身の幸運にほくそ笑んでいた。






【E−2:X2Y1/森/1日目:夕方】

【ゴート@リョナマナ】
[状態]:残魔力中
[装備]:レボワーカー@まじはーど
(損傷度0%、主電源入)
バク@リョナラークエスト
[道具]:デイパック、支給品一式×2(食料11食分、水11食分)
猫じゃらしx3@現実世界
大福x10@現実世界
弓矢(25本)@ボーパルラビット
レボワーカーのマニュアル@まじはーど
[基本]:マーダー、キング・リョーナに復讐する
[思考・状況]
1.仲間のロアニーと合流する
2.キングへの報復方法を考える
3.ナビィ達を見つけたらキングの件とは別に報復する





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